第5回 野沢温泉自転車祭 -撒いた種が芽を出した五年目-

自転車祭実行委員長:河野周平

五年前に撒いた種が、ようやく芽を出した。

そんな手応えを感じた第5回野沢温泉自転車祭。

前実行委員長・上野雄大と共に駆け抜けた4年間を経て、今年は私がバトンを受け継ぎ挑戦することとなった。限られた5か月の準備期間の中で、組織体制を一から見直し、実行委員会に関わる各団体の役割を明確化。分業制を導入し、専任事務局員を配置することで、協賛対応からプロモーション、運営設計までをスムーズに進める仕組みを整えた。

副実行委員長・上野岳光とは、とにかく現場を動き回った。

コースの設定や整備、地域への説明、協賛企業への挨拶——ひとつひとつの積み重ねが大会の基盤をつくった。

サイクルメーカーとの打ち合わせでは、業界経験の浅い私は恥を恐れずに意見を求めた。

その中で多くの助言や視点を得ながら、「野沢温泉だからこそできるスタイル」を模索し続けた。

その結果、一般エントリーは最低目標の300名を超え、延べ参加者は400名を上回った。

関係人口を含めると500名以上が野沢温泉を訪れ、過去最大規模の賑わいに。

レースはもちろん、会場の雰囲気や夜の屋台村も多くの笑顔であふれ、地域全体が一体となって盛り上がった。

大会終了後も「また来年も来たい」「家族で参加したい」「地域の活気を感じた」という声が多く寄せられた。その一つひとつが、私たち実行委員会の励みとなっている。 まだ決算は完了していないが、今年は初めて目標に対して確かな“リターン”を感じられそうだ。「大成功」とまでは言えないが、「成功」と胸を張れる大会になった。昨年までの不安や焦りの中で見えなかった“希望の芽”が、確かに顔を出した。

五年前に撒いた種。前実行委員長と共に注ぎ続けた水。

そして今、芽吹いたその若木を、次は花へと咲かせたい。

野沢温泉スキークラブが102年前にスキー文化に挑戦したように、

私たちは今、サイクル文化をこの地で育てていく。